お仏壇選びの7つのポイント
はじめにお仏壇選びの正しい選択基準を学びましょう。
お店に足を運んでくださるお客さまのお話をお聞きすると、
「どのようなお仏壇を選べば良いかがわからない」と言う方が多くいらっしやいます。
そして、もう少し詳しくお聞きすると、お仏壇の値段がどういう基準で付けられているのかわからない、ということのようです。
お客さまは、「大きいお仏壇のほうが小さいお仏壇よりも高額だろうし、手の込んだ細工が施してあるように見えるお仏壇のほうが高額なのだろうな」と感じていらつしゃるのではないかと思います。確かにそれは間違いではありませんが、お仏壇の値段はそれだけで決まるものではありません。お仏壇の値段の違いには、どんな木材を使っているか、どれだけ手間をかけてつくっているかということも、大きく関係してきます。したがって、小さくても高価なお仏壇や、反対に大きくても安価なものもあるのです。
それを知らずに単に大きさや値段だけでお仏壇を選んでしまったら、後で後悔することにもなりかねません。また、お仏壇の良し悪しは専門家以外には見分けがつきにくいために、中には無知につけ込んで不当な金額でお仏壇を売りつける業者もあるようです。
このページを作成したのは、お仏壇についての正しい知識を身につけていただき、安心してお仏壇を選ぶことができるようになっていただきたいからです。正しい選択基準を持つことが、お仏壇選びで成功する秘訣なのです。
せひ、このページをご一読されてから仏壇店を訪れてみてください。皆さまのお仏壇選びにきっと役立つはずです。
ポイント1 そもそも「お仏壇って何なの?」
まず、お仏壇とは何のためにあるのか考えてみましょう。これからお仏壇を購入するのですから何のためにあるのかわかっていなければヘンですよね。
皆さまは「お仏壇って何?」と質問されたら、どう答えますか。
「亡くなった家族やご先祖さまの位牌を祀るところ」と答える方もいらっしやるでしょう。あるいは、「仏さまを祀るところ」と答える方もいるかもしれません。これはどちらも正しい答えです。
ただ、お坊さまに聞いたら、「お仏壇というのは、ご本尊をお祀りして仏教徒としての信仰を深めるところ」 とお答えになるかもしれません。でも、だからといって、亡くなられたご家族やご先祖さまをお祀りするところ、という答えが間違っているわけではないのです。
家にお仏壇がなかった方がはじめてお仏壇を購入されるきっかけは、ほとんどの場合、ご家族が亡くなられたことによるものです。亡くなられた夫や妻、祖父母や父母を偲び、冥福を祈り、供養するためにお仏壇を求めるのです。また、同時にお仏壇を購入することは、今まであまり仏教を意識していなかった方に関心を抱かせるきっかけにもなります。
亡くなられたご家族をお仏壇にお祀りして供養することが、仏教徒としての信仰を深めることにもなってゆくわけです。このように、お仏壇は亡くなられたご家族やご先祖さまを偲び、供養する場所であり、心を通わせる場所です。そしてまた、亡くなられたご家族やご先祖さまは、お仏壇を通して皆さまのことを見守っていてくれるのです。
ポイント2 お仏壇の種類を知ろう
●金仏壇と唐木仏壇
お仏壇を選ぶには、その種類について知っておくのも大切なことです。でも、細かいことまで説明するとキリがありません。基本的なことだけ押さえておいて下さい。
まず、お仏壇は金仏壇と唐木仏壇の2種類に大別されます。
金仏壇は、全体に黒の漆塗りが施されて、内部には金箔が貼ってあるお仏壇です。正式には、「漆塗り金仏壇」、と言いますが、金仏壇とも、塗り仏壇とも呼ばれることがあります。その荘厳な姿は亡くなられた方がおもむく浄土の世界を表現しているものとも言われています。
一方、唐木仏壇は黒檀や紫檀といった銘木と言われる木材の美しい木目を生かしたもので、金仏壇に較べるとあっさりとした印象を与えるお仏壇です。
黒檀や紫檀などの木材は、主に熱帯地方に育つ広葉樹が多く、以前は中国を経由して輸入されていたため、「唐木」仏壇と言われるようになったようです。その他に唐木仏壇に使われる木材としては、鉄刀木(タガヤサン)や、日本産の木材として主に高級唐木仏壇につかわれる、屋久杉、桑、樺などがあります。金仏壇の場合は黒く漆で塗ってしまうので、木目は見えなくなってしまいますが、素材としては桧や樺、杉、アガチスなどが使われています。
伝統的に浄土真宗では金仏壇を置いている家が多いため、金仏壇を浄土真宗用だと思っている方がいらっしやいますが、浄土真宗以外は金仏壇を置いてはいけないという決まりはありません。実際に浄土真宗以外でも金仏壇を置いている家もあります。ご自身の感覚で選ばれるのが良いと思われます。
●大きさ・形式による種類
形式からは、重ね型仏壇・地袋付仏間用仏壇・上置仏壇の3種類に大きく分けることができます。
重ね型仏壇は、高さが135cm〜175cm前後になるもので、オーソドックスな仏壇です。これはさらに、仏壇を置く場所の間口の広さに合わせて−間仏壇と半間仏壇に別れますが、半間仏壇が最もよく購入されています。
重ね仏壇以外は、この形を簡略したものと考えることもできます。
地袋付仏間用仏壇は、高さが100cm〜140cmくらいのもので、仏間に置くための仏壇です。
上置仏壇は、高さが35cm〜90cmくらいで、お仏壇を置くスペースが取りにくい家のために、家具などの上に置くことができるようになっているものです。
ポイント3 お仏壇の価値はどこで決まるの?
種類がわかったところで、つぎは価値の違いです。
一般の人が見てお仏壇の価値が見分けにくい理由の−つは、それが専門の職人によってつくられる伝統工芸品だから、という事情があります。職人が伝統の技を駆使してつくる細かい細工の善し悪しまでを見極めるのは容易ではありません。
そこで、そのような細かい点は省いて、お仏壇の価格−を決定する明確な基準について説明しましょう。
【金仏壇】
金仏壇では、使われている金箔の質と量が価格に大きく影響します。金箔には細工が施せるようにわずかな量の銀と銅が混ぜられています。純度は高い順に1号色〜4号色となり、最も純度が高いのが1号色。またその厚さによって、一枚掛、二枚掛、と分類され、四枚掛がもっとも高価になります。高級品は漆を塗って仕上げますが、回数が多いほど耐久性に富み高価になります。漆ではなくカシューという塗料を使ったものもあります。
【唐木仏壇】
唐木仏壇は、唐木と呼ばれる木材の木目の美しさが特徴のお仏壇です。価格はまずその木材の種類で決まります。しかし、同じ木材でも善し悪しがありますから、一概にどの木材がどの木材よりも高価であるとは言えません。ただ、一般的には、「ポイント2」であげた木材であれば、まず良い素材だと考えることができます。
また、唐木仏壇のほとんどは、唐木だけでできているわけではありません。高価な唐木を節約するとともに、木材の反りを防ぐために、別の木を芯材に使い、厚さ5mm〜7mmの唐木の板を貼りつけて作ります。これを「練り工法」と言いますが、前面だけに貼りつけているもの、側面や裏側にまで貼りつけているものもあり、唐木が使われている割合が多いほど高価なお仏壇になります。中にはツキ板といって、紙のように薄くスライスした唐木を貼ったものや、唐木模様を印刷したもの、さらにはフイルムに木目を印刷して貼り付けたものなどもあります。
これらがお仏壇の価格を決める主な要素になっているため、大きいお仏壇よりも小さいお仏壇の方が高いということもあり得るわけです。そして、その違いは年月を経るごとにはっきりと現れてきます。簡単に言えば、高級品は長い時間美しい状態を保ちますが、そうでないものは傷みやすいということです。時間の経過とともに、印刷の木目がかすれたり、ツキ板が剥がれたりすることも起こってくるわけです。また、高級品は「仏壇のお洗濯」といって修理ができるようになっていますが、低価格のものは修理することができない場合も多いのです。
しかし、新品の場合、一般の人にはこのような違いが見分けられないことでしょう。
大丈夫です。わからなければ店員さんに聞けば良いのです。ぜひ、納得するまで聞いてみてください。皆さんの疑問にきちんと応えてくれる店、それが良い仏壇店の条件だと私たちは考えます。
お仏壇の価値について簡単に説明をしましたが、別に安価なお仏壇を購入することが悪いわけではありません。ただ、低価格のものはどうしても傷みやすく、修理ができないこともある、という点を知ったうえで購入しないと、後で後悔することになってしまいます。
ポイント4 置く場所も考えて選びましょう
お仏壇を置く場所を考えるときには、特に寸法について注意が必要です。上記「お仏壇の種類を知ろう!」で述べたように、仏壇には一間仏壇や半間仏壇など大きさの違うものがありますが、同じ半間でも京間と江戸間、集合住宅では寸法がそれぞれ違います。床の間に仏壇を置こうと思って購入したのに、大きくて入らなかったという例もありますので、お仏壇を選ぶ前には、まず置く場所を決め、あらかじめ寸法を測っておいたほうが良いでしょう。
お仏壇を置く場所がなくて困っている方もいると思います。置く場所がないので位牌をむきだしで置いたり、しまい込んでいる方もいらっしやいますが、これはちょっとさびしいですね。
多くの場合は工夫次第でなんとかなるものです。これも「ポイント2」で述べましたが、上置仏壇という箪笥などの家具の上に置くことに前提にして作られているお仏壇もあります。上置仏壇にもさまざまなタイプがありますので、きっとみなさんのお部屋に合うお仏壇を見つけることができると思います。
昔の家には、お仏壇を置くための「仏間」があったのですが、昨今の住宅事情ではなかなか難しくなっています。最近では居間などにお仏壇を置くケースもめずらしくありません。
また、洋間に合うようにデザインされたお仏壇も数多くありますので、仏壇店を訪れていただければ、きっと気にいったお仏壇に出会えるはずです。
また、お仏壇を置く場所は、できるだけ湿気と直射日光は避けたほうが良いでしょう。せっかくのお仏壇が傷んでしまうことになります。
ポイント5 仏具のことも考えましょう
店に来られたお客さまから、「お仏壇のほかに必要なものは何ですか?」という質問を受けることがあります。
もちろん、言うまでもなくお位牌は必要ですね。もちろん、ご本尊が必要です。ご本尊は宗派によって違います。もし、ご本尊に何を安置すればよいのかわからないときには、お坊さんもしくは私どもにお問い合わせ下さい。
お仏壇に安置されるお位牌は、本位牌と呼ばれ、黒漆塗りの塗位牌や、唐木を使った唐木位牌などがあります。これは、四十九日までの問だけ示巳られる白木位牌とは区別して用いられます(浄土真宗の場合は位牌をお示巳りせず過去帳に法名を記帳します)。
その他お仏壇にかかせない仏具として、三具足、五具足と呼ばれるものがあります。三具足は「香(香炉・線香立て)」「花(花立て)」「灯(ロウソク立て)」の3つで、向かって右側にロウソク立て、中央に香炉、左側に花立てを配置。五具足の場合は中央に香炉、左右両脇にロウソク立て、その両方の外側に花立てを配置します。
それに、おリンも必要です。さらに茶湯器や仏飯器など仏具には多くの種類がありますが、最低限揃えたいものとしては、五具足か三具足、そしておリンということになるでしょう。
しかし、これは購入されるお仏壇によって少し事情が変わります。小さなお仏壇では、たくさんの仏具を置くことはできませんし、逆に大きなお仏壇で仏具の数が少ないとさびしい感じがします。
最近はいろいろなデザインの仏具が登場しています。気にいったお仏壇を選ばれたら、ぜひそのお仏壇に合ったお気に入りの仏具を探してみて下さい。
ポイント6 信頼できる仏壇店の見分け方
1、お客さまの聞いたことに対して納得のいくまで誓えてくれる店ですか?
自分達の扱っている商品に自信と誇りを持っているなら、当然商品に対する知識は豊富なはずですから、お客さまの質問には誠意を持って答えてくれるはずです。また、ご家族のどなたかが亡くなった場合には四十九日や百ケ日、あるいは新盆などの仏事をとりおこなわなくてはなりません。ところが、これらの仏事をどのように準備し、何を揃え、誰をお招きすればよいのかなど、わからないことも多いはずです。良い仏壇店は商品のことだけではなく、それらについての良きアドバイザーになってくれる店です。
2、アフターサービスは充実していますか?
万が−の場合の保証はもちろん、お仏壇のお祀りのしかたについてわからないことがある時、仏具を買い足したい時などにも相談に応じてくれる店でなければ困ります。
自動車の販売店などに較べると、仏壇店の中にはあまりアフターサービスに熱心でないところもあるようですが、これには理由があります。自動車は5〜6年くらいで買い換える場合が多いので、アフターサービスを通じてお客さまとお付き合いを続けていれば、5〜6年後くらいにはまた販売できるので熱心にアフターサービスを行う店が多いのです。
しかし、お仏壇は一度購入したら30〜50年使い続けるものです。ほとんどの人にとっては一生に−度の買い物です。ですから、同じお客さまに、またお仏壇を購入していただける可能性は極めて低いため、仏壇店の中にはアフターサービスを行わないところも出てきてしまうのです。
でも、それは間違いです。お仏壇は供養のための大切な道具として、心のより所として購入していただくものです。ですから、仏壇店は長く大切に使っていただけることをありがたく思い、そのためのお役に立たたなければならないのです。
3、明朗な販売価格
そして、最も重要な点は、曖昧な売価表示でお客さまを惑わしていないか、ということです。
いくつかの仏壇店を回ったことのある方ならお気付きかもしれませんが、仏壇店には大幅な値引き表示をしているところが多く、中には5割引、極端な例では8割引というものも見掛けることがあります。
ちょっと変だと思いませんか。年に何回かだけ特別に大幅に割り引くならまだ話はわかりますが、いつでも5割引を表示しているような店は疑ってかかる必要があるのではないでしょうか。仏壇店も商売ですから仕入れ値よりも安い価格で売るはずはなく、当然利益を出しているのです。
では、5割引でも利益の出る元の価格、定価とは何なのでしょうか?答えは簡単。そもそもお仏壇には、他の一般的な商品のような定価がないのです。定価という名の価格はその店で勝手に付けることができるのです。なぜそんなことがまかり通るかといえば、第−にお仏壇の価値の見極めが−般の人にはつきにくいといことがあります。お仏壇を見て、それがどの程度の値段のものなのか、わかる人はまずいません。仏壇店の店員が仮に100万円と言えばそれを信じるしかありません。
しかし、ほとんどの場合は大幅に値引いてサービスをしているように勘違いさせているだけなのです。こういう店は信頼できる店とは言えないのではないでしょうゎ、。
さて、いかがでしょうか。信頼できる仏壇店の見極めかたはこれで間違いないと思います。あとは、ご自身でいくつかの仏壇店を回って比較していただくより他にありません。そしてご自身で判断されるのが一番でしょう。
ポイント7 亡くなられた家族が喜んでくれているでしょうか?
それでは最後に一番大切なポイントを述べましょう。
それは、亡くなられたご家族が、そのお仏壇を選んだことを喜んでくれているかどうかです。もちろん、亡くなられた方が喜んでいるかどうかを確認することはできません。でも、自分の心に問えば、きっとわかるはずです。
何も高価なお仏壇を選べば亡くなられたご家族が喜ぶと言っているわけではありません。どのくらいのお仏壇を選べばよいのかは、その方の置かれた立場や考え方によって違っていて当然です。
ただ、自分の気持ちの中で、亡くなられたご家族に精一杯のことがしてあげられれば、それできっと喜んでくれると思うのです。
なによりも、そうした気持ち、亡くなられたご家族を思う気持ち、ご先祖さまを思う気持ちが大切なのではないでしょうか。
そして、そうした思いはきっと亡くなられた方にも通じるはずです。あなたの思いに応えて、お仏壇の向こうからいつもあなたを見守ってくれることでしょう。
亡くなったご豪族から「ありがとう」の声を聞きたくありませんか? お仏壇は亡くなられたご家族と心を通わせる場所なのです。そして、いつの日かあなたが入ることになるお仏壇です。
朝起きたらお仏壇にお供え物をして、家族みんなで亡くなられたご家族やご先祖さまのことを思う。そうした光景はかつての日本ではごく当たり前に見ることができました。そうした習慣は亡き人と心を通わせると同時に、家族の絆を深める大切な役割も果たしていたはずです。
しかし、今やそうした家族の絆を深めるための習慣は失われてしまったかのようです。そのためかどうか、まるで他人同士のようにぬくもりのない生活している家庭も増えてきているようです。
お仏壇は家族の絆を深め、ぬくもりのある温かい家庭を築くための装置でもあるのです。ご家族のどなたかが亡くなられたのをきっかけにお仏壇を購入し、家族でお仏壇に向かう習慣がはじまるかもしれません。そして、より一段と家族の絆が深まり、おたがいを思いやる温かい幸せにつつまれた家庭が生まれてゆくことでしょう。
そうだとしたら、
お仏壇は、残されたご豪族の幸せを願う亡くなられた方からの、皆さまへの贈りものなのかもしれません。
亡くなられた方の願いに応えて、家族みんなが幸せになつてゆきたいものです。
|